AWS DMSにGenAIによるスキーマ変換ツールがリリースされました
re:Invent 2024において、AWS DMS(Database Migration Service)に、生成AIによる自動スキーマ変換機能が追加されたので、その内容を速報でご紹介します。
AWS DMSのスキーマ変換における生成AI利用のアップデートに関係する公式情報
what's new はこちら。
すでに、詳細について公式ブログが提供されています。
ユーザーガイド
アップデート内容
AWSには古くから、異なるデータベース種別間でデータを移行するための、AWS Database Migration Service (AWS DMS) というサービスがあります。そのスキーマ変換機能に、生成AIを活用した新機能が追加されました。
元々、Microsoft SQL Serverなどの商用エンジンからAmazon Aurora PostgreSQL互換エディションやAmazon RDS for PostgreSQLへのデータベーススキーマ変換に対応していたのですが、このスキーマ変換機能に生成AIによる推奨機能を使用することで、データベース移行プロジェクトの作成が簡素化され、特に手動変換が必要だった複雑なコードオブジェクト(ストアドプロシージャ、関数、トリガーなど)の変換が容易になったとのことです。
データベースには、データそのもののテーブルはもとより、そこに依存したストアドプロシージャや関数、トリガーなどの、ロジック依存したものが存在する場合が多いですが、そのあたりの変換に生成AIの機能を利用できるのは、目の付け所が良いですね。ありがたいことです。
これまでより便利になった点
- スキーマ変換の効率向上: 生成AIを活用することで、スキーマの最大90%を変換可能
- 複雑なコードオブジェクトの変換支援: 従来は手動で行っていた複雑なコードオブジェクトの変換が簡素化
- 使いやすさの向上: AWS Management ConsoleやAWS CLIから簡単に利用可能
利用可能なリージョン
現在、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)の3つのAWSリージョンで利用可能です。すでにこれらのリージョンでは一般利用ができるようになっています。
公式ブログより変換機能の紹介
公式ブログで、生成AIを利用したスキーマ変換の様子が紹介されていたので、そちらを引用中心にまとめてみます。
従来どおり、インスタンス・プロファイルと、データ・プロバイダーを定義し、マイグレーションプロジェクトを作成、[Schema conversion]タブで[Launch shema conversion]を選択します。
AWS DMSも生成AI機能の利用にはオプトインの手続きが必要です(コンプライアンス要件をサポートするため)。
この後、変換についての評価を実施すると、変換レポートに、新しく生成AIを利用したコンバージョンの利用可能性についての情報が含まれています。
these candidates may not be automatically converted dut to limitations like invalid LLM output of token constraints.
これらの候補は、トークン制約の無効なLLM出力のような制限のために自動的に変換されない場合があります。
あとは、対象のストアドプロシージャを選択し、生成AIの機能を利用して変換しつつ詳細を修正していくことで、従来の方法より素早くオブジェクトの変換が実現できるとのことでした。
スキーマ変換をGenAI機能組み込みで実施できる有用性が良い
おそらく、スキーマやDBのオブジェクト変換において、個別に生成AIを使った変換機能を利用していた人は多かったかと思います。これがAWS DMSに組み込まれ、特にスキーマ変換の全体レポートに入っているのが、一番の使い所の違いかと思います。
現在、DMSを使っている場合、ほぼ手間なく追加で利用できる機能かと思うので、まずはこの機能をオプトインしてレポートを評価してみると良いんじゃないでしょうか。
それでは、今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)(@hamako9999)でした。